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亜美真美SS 「兄ちゃん以上恋人未満?」2008-01-19 Sat 20:58
真美が自分の気持ちに気付く話。
題名が改心の出来。 この間、真美が兄ちゃんにねだって買ってもらった指輪。 きっと駄目だって言われると思ったけど、しょうがないなぁって言って買ってくれた指輪。 それがすっごく嬉しくて、何度も指に嵌めたり取ったりした指輪。 銀色と金色が真ん中で交差してて、まるで亜美と真美みたいな指輪。 でも亜美には秘密にした。 兄ちゃんと真美の秘密にしたかった。 二人だけの秘密に……したかった。 だけどこないだの音楽番組に真美が出たとき、うっかり指輪をつけたまま出て、黒いサングラスの司会のおっちゃんに「お、かわいい指輪だね」って言われちゃった。 その時は褒められて嬉しかった。 それに司会のおっちゃんに「誰から貰ったのかな?もしかして恋人?」なんて言われちゃって…… そしたら兄ちゃんの顔が頭に浮かんで……顔が赤くなるの、自分でもわかった。 でも、それがいけなかったんだね。 収録の次の日に亜美がレッスン室から出てきたとき、真美すごい驚いちゃった。 だって亜美が真美と同じ指輪をしてるんだもん。 二人だけの秘密にしたかった指輪。 司会のおっちゃんに恋人からもらったの?って言われた指輪。 兄ちゃんは、真美が指輪をつけたままテレビに出たから亜美にも買ったんだ。 すぐにそれは気付いた。 二人一役の亜美真美ならしょうがないと思った。 でも、亜美が同じ指輪をしてるのを見た瞬間……胸がキュッて苦しくなって…… 「ねぇ真美!兄ちゃんから指輪もらったよ!……あ、真美ももらったんだね!おんなじかな?見して見してー!」 買ってもらった日以来、何度も何度も指に嵌めて眺めていた指輪。 だから亜美がレッスン室から出てきたときに、遠目からでもすぐわかった。 確かめるまでもない。 それは、兄ちゃんが“真美“に買ってくれた指輪と……同じ。 そして亜美が手に、指輪に触れそうになったとき…… 「やめてっ!」 と亜美の手を弾いてしまった。 「ま、真美?」 亜美は驚きながらこっちをみてる。 「……っ!」 気付くと、走ってた。 事務所を飛び出して、近くの公園に走ってた。 ねぇ、兄ちゃんは真美に指輪を買ってくれたんじゃないの? 真美だから買ってくれたんじゃないの? 真美に特別に……買ってくれたんじゃ……ないの? あの時、真美じゃなく亜美がねだってれば……亜美に指輪を……? 涙が込み上げてきた。 次から次へと、ぽろぽろと。 すごく胸が……苦しい。 だけど、 今までわからなかった、兄ちゃんへのもやもやとしたこの気持ち。 今なら、はっきり分かる。 兄ちゃんは、真美と亜美、どっちが、好きなの? 「ま、真美!どうした!?」 真美の後ろに兄ちゃんがいた。 手を膝に付けて、肩で息をしながら。 兄ちゃんの方へ振り向く。 そして、髪を解いて逆を結ぶ。 これで真美は亜美になった。 「真美……?」 「ううん、亜美は亜美だよ?」 「どうしたんだ?ホントに」 「亜美があの時、指輪をねだってれば……亜美に指輪買った?」 「え……?」 突然の質問に兄ちゃんは戸惑ってるみたい。 「あのさ……兄ちゃん」 今度は髪留めをはずした。 アイドルの亜美じゃなく、亜美と双子の真美でもない。 一人の真美として。 きっとこの気持ちを伝えても兄ちゃんには、まだ早いって言われちゃう。 でもやっと気付いたこの気持ち、我慢できない。 もう「兄ちゃん」じゃ、物足りない。 「兄ちゃん……真美ね、真美、兄ちゃんが……!」 (了) スポンサーサイト
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