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亜美SS LIKE以上LOVE未満?2008-08-09 Sat 04:24
気付いたらこんな時間……ゆっくりした結果がこれだよ。
「兄ちゃん以上恋人未満?」と対を成したかったんだけど、全然成せてない気が…… 亜美がちょっと成長する話。 「兄ちゃん兄ちゃん!綺麗な貝殻だよー!」 亜美は今、新曲のPVの撮影で海に来てるんだ! 「んっふっふー!沢山見つけて、真美のお土産にしよーっと!」 って意気込んだのに…… 「亜美、残念だけどそろそろ帰らないといけないな」 「えー!やだやだー!真美のお土産探すー!」 亜美、駄々こねちゃった。でも兄ちゃんがいつもみたいに、笑顔で亜美の頭に手をポンって置いて 「また、連れて来てやるから」 ってなでなでしてくれたから、やっぱり我慢することにした。 兄ちゃんの手はすっごく不思議。オーディション前にさっきみたいにポンってされるとメチャメチャ頑張れる気がしてくるし、オーディションに落ちてへこんでも、ポンされると元気が湧いてくるんだ。さっきも駄々こねてたのに、兄ちゃんがなでなでしてくれたから胸がきゅーっとしちゃった。 でも、なんできゅーってなったんだろ? 「ねぇねぇ、次のお仕事が休みの日っていつ?」 運転してる兄ちゃんの横顔に聞いてみた。だって早くまた海に来たいんだもん。 「うーん……事務所に戻って予定表みないとわからないな」 「そっかぁ……早くまた来たいなー」 掌にある貝殻を見つめながらそう言うと、また頭にポンと兄ちゃんの手。 「今日のPV撮影頑張ったから、今度のオフは真美も連れてまたここに来ような」 「ホント!?やったー!兄ちゃん大好きー!」 今度は真美と来れるから、亜美スッゴいワクワクしたんだ! ……でも、結局亜美と真美と兄ちゃんで海に来ることはできなかったんだ。 「亜美、真美、大事な話がある」 いつになく真面目ーな顔で亜美達を呼んだのは海に行った二日後。 「今日で二人のプロデューサーを降りることになった」 一瞬、何のことだかわからなかった。隣にいた真美もぽかーんとしてた。 「新しく事務所に入る星井美希をプロデュースすることになってな……社長がどうしてもって言うのと、二人のイメージチェンジを兼ねてっていうのが主な理由なんだ」 兄ちゃんが申し訳なさそうに亜美達を交互に見てくる。 「じゃあじゃあ、もう兄ちゃんと一緒にレッスン出来なくなっちゃうの?」 真美が泣きそうな声で言って、 「うぞでじょー!兄ぢゃーん!」 亜美はもう泣いてた。だって、兄ちゃんと離れ離れになるって考えたら……胸がぎゅって痛くなって……そしたら涙が溢れてきて……亜美にもよくわかんないけど、すっごく悲しくて…… 「やだよやだやだ!兄ちゃんと離れたくないぃ!」 「あ、亜美ぃー……」 真美もつられて泣き出しちゃったみたい。隣で鼻をぐすぐすやってる。 「おいおい、二人ともそんなに泣くなって。プロダクションが変わるわけじゃないんだから、たまには会えるんだぞ?」 「でもでもー!」 亜美と真美の兄ちゃんじゃなくなるなんて……いやだよ! 「……でも、ありがとな二人とも。泣いてくれるほどに信頼関係が築けてて安心したよ」 「シンライカンケーとかじゃないよ!兄ちゃんは兄ちゃんなんだから!亜美と真美の兄ちゃん!」 「そうだよー!亜美の言う通りなんだからぁー!」 亜美も真美も涙で顔がぐちゃぐちゃ。 「そうだな……ありがとう」 兄ちゃんがしゃがんで、亜美達と同じ目線になっていつものように頭を撫でてくれた。 「兄ぢゃーん!」 「おっと」 亜美はやっぱり離れたくなくて、兄ちゃんの首に抱き付いた。真美も亜美の後に続いてすぐに兄ちゃんに抱き付いた。 当の兄ちゃんは困った顔をしながらも、しょうがないなと言って泣き止むまでなでなでしてくれてた。 「兄ちゃん、大好きだよー!うえーん!」 新しいプロデューサーはあずさおねぇちゃんの元プロデューサーだった。あずさおねぇちゃんっていえば、765プロを代表するアイドルの一人。だからすっごーい厳しいかと思ったら案外優しくて、亜美、すぐに仲良くなっちゃった。 「ねぇにぃにぃ、今日のレッスンはー?」 にぃにぃってのは今のプロデューサーのこと。兄ちゃんだと混ざっちゃうっしょ!ってことで真美と相談してつけたんだ。 「今日はダンスレッスンだよ。準備があるからちょっと先に行っててもらえるかな?」 「了解ー!」 そして、いざレッスン室に入ろうと思ったら 「あれ?」 レッスン室、誰か使ってるよ? 誰だろ?そーっと窓から覗いちゃえ…… 「プロデューサーさーん?ミキ、もう疲れたのー」 「じゃそろそろ終わりにしようか。今日はだいぶ頑張ったしな」 「ミキ、やれば出来る子なの!」 「じゃ、毎日しっかりレッスンやってくれ……頼むから……」 「あはは、なんだかすごく困った顔してるー」 「ったく、お前のせいだよ……」 そこにいたのは兄ちゃんだった。 あの子が新入りの美希って人かぁ……ぱっと見、はるるんと律ちゃんの間くらいの大きさかなぁ…… んっふっふー!ここは先輩後輩の立場をしっかりと教え込んだほうがいいっしょー!ついでに久々に兄ちゃんをからかってやろー! いざ、突撃ー!……って、あっ! 亜美がドアノブに手をかけたとき、兄ちゃんが新人の子の頭に手をポンって置いて なでなで、してた。 それを見た瞬間、からかうとかそんなことが頭から飛んでっちゃった。 胸が、ぎゅーってしめつけらた。 「プロデューサーさんの手、おっきくて暖かいよねー、安心して眠くなってきちゃう……あふぅ」 「仮眠室で昼寝してもいいぞ。二時間後にデビュー曲のテープもらいに行かなきゃならないからそれまでならな」 「えー、まだなんかあるのー?めんどくさいなぁ……そだ、プロデューサーさんも一緒に寝て、寝過ごしちゃえば?一緒に寝よ?」 「ってこらこら!腕を引っ張るな!」 そして、ドアが開いた。 久しぶりに見た兄ちゃんの顔なのに全然嬉しくない。 胸が、痛い…… 「あれ?この子、誰?」 「お、亜美!久しぶりだな!調子はどうだ?」 久しぶりに兄ちゃんと話ができるのにちっとも嬉しくない。 「あ、もしかしてプロデューサーさんが前プロデュースした双子ちゃん?」 「あぁそうだよ。新しいプロデューサーと仲良くやってるか?」 ポンと亜美の頭の上に兄ちゃんの手が……当然のように…… いつもならうれしいのに…… ……いやっ! ぱしん、と兄ちゃんの手を払っちゃった。 「亜美……?」 びっくりしてる兄ちゃん。 状況が掴めてない新人のおねぇちゃん。 そして涙をぽろぽろ流してる亜美。 「亜美、一体どうし……」 「兄ちゃんのバカー!大っ嫌い!」 きぃ、きい、とブランコの軋む音がする。亜美は事務所を飛び出して近くの公園に走った。 どうして兄ちゃんはあのおねぇちゃんにもなでなでしてたの? 亜美だから、なでなでしてくれてたんじゃないの? 亜美が特別だったんじゃないの? 兄ちゃんは、亜美のこと、好きじゃないの? ……あぁ、そっか、やっとわかった。 きっと亜美は兄ちゃんのこと、好きなんだ。 今までのは胸が痛いんじゃなくて、心が痛かったんだ。 ヤキモチ、妬いちゃったんだね、亜美は。なんだかカッコ悪いなー。 「亜美っ!」 それからすぐに兄ちゃんが走って来た。 「ダメじゃないか!一人で外に出たら!」 あの兄ちゃんが怒ってる。今更ながら自分のしたことが悪いことだって思えてきた。 「ご、ごめんなさい……」 ブランコに座ったまま俯いて謝った。でも兄ちゃんはそれ以上怒らなかった。何も言わずに隣のブランコに座った。 「真美が心配してたぞ?」 「うん……あとで謝っておく」 「そっか」 やっぱり兄ちゃんと話ししてると安心する。でも心臓はドキドキして……兄ちゃんまで聞こえてないかな? 「やっぱり、急にプロデューサーを降りたの怒ってるか?」 「ううん、亜美も真美も全然怒ってないよ」 兄ちゃんは不思議そうな顔をした。 「じゃあ、さっきのは……」 「ごめんね、兄ちゃん。亜美、ヤキモチやいちゃったんだと思う」 がしゃん、という音を立ててブランコから立ち上がって、兄ちゃんの目の前に立つ。 ちょうど亜美と兄ちゃんの目線が重なる高さ。 「兄ちゃん、あのね……」 今度は亜美が兄ちゃんの頭に手をポンと置いて、心を込めて…… 「大好き、だよ。兄ちゃん」 LIKE or LOVE? fin. スポンサーサイト
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2010-01-23 Sat 22:05 | | #[ 編集]
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